サマーキャンプ 七夕キャンプ2011【平成23年度】『がんばれ共和国』レポート

  • □宮城県蔵王町 / ゆと森倶楽部
  • □期日 / 8月5日(金)~8月7日(日)
  • □協力 / 赤ちゃん子どもクリニック

蔵王のキャンプは3月11日の震災後、ほぼ開催は無理だと考えていた実行委員長の堺の弱気を吹き飛ばすような、キャンパー家族の励ましと協力で、本当にみんなに支えられながらのキャンプを開催することが出来ました。

<がんばれ!>126号にも紹介されたように、震災後最初の実行委員会を開けたのは4月16日でした。それまでは、実行委員会どころではないというのが誰もが持っていた気持ちでした。でも、そこから5回の実行委員会を開き、4回のボランティア講習会を重ね、何とか開催まで漕ぎ着けました。今年のキャンプ長は、こんな時は人のために頑張るしかないと私が引き受けることにしました。

ところがその後も多くの問題が出てきました。まず、キャンパーが集まってくれるかどうかです。でも、自宅が津波で吹き飛んだ家族も、つい3日前まで入院していた家族も含めて28家族90名の申し込みがあり、最終的には26家族が参加されました。このキャンパー家族には難病ネットの義援金からからあたたかい補助を頂きました。これについてはキャンプの最中に、キャンパーと家族から義援金を送ってくださった方々へ感謝状が贈られています。

次にボランティアが集まらない。これには困りました。特に地元の大学が震災で授業が遅れて始まった分、夏休みも遅れて始まり、キャンプ開始の8月5日まで授業で、おまけにその後試験のところもあり、例年30名位のボランティアを出してくれる宮城大学は6名の参加がやっとでした。でも彼らがとても頑張ってくれました。ほんとうに心からお礼言います。「旅のしおり」が出来た時はボランティアの名簿は41名でした。それが最終的には倍近い78名の参加になりました。

そして8月5日、17回目のキャンプを例年通り蔵王町遠刈田温泉の「ゆと森倶楽部」で開催できたのです。「どうだった?」「元気だった?」「被害は?」。一年ぶりの再会を喜ぶ顔と共に、お互いの安否を気遣う言葉が飛び交います。人が二人集まればすぐに震災の話になる東北では、やはりキャンプでも震災とその後の話で持ちきりです。

今年の大統領には狩野広希君が選ばれ、双子のきょうだいの治希君を特別に副大統領にも任命しました。また、これまでの長い間七夕飾り作りを中心に担って来られた冨並かね子さんと工藤清美さんに、実行委員会から感謝状が贈られました。

その後「ミューズの夢」のコンサートがあり、今年はマリンバ演奏と男声合唱を楽しみました。驚いたのは男性合唱の曲目が「ふるさと」、「見あげてごらん夜の星を」、「上をむいて歩こう」で、実はこの3曲はこの日の夜のキャンドルサービス「震災を語り合う夕べ」で、みんなで歌おうと実行委員会で準備していた3曲と同じでした。震災の後、誰もが自分を励ますために口ずさんできた曲の選定に、みんなの気持ちが共通であること感じました。

「震災を語り合う夕べ」キャンドルサービスのろうそくの灯りのもとで、震災での体験を語り合い、そしてそれに聞き入りました。最初に吸引や薬で大変な思いをした大国さんと、家も車も流された長谷川さんがお話しされ、その後4つのグループに分かれお互いの体験を話しあいました。津波、寒さ、飢え、停電、断水の中の辛い体験の中で、嬉しい話も聞けました。それまで挨拶を交わす位だった近所の方々が、貴重な水や食料を持って訪ねて来てくれたそうです。給水や食料確保の長蛇の列に並ぶことが不可能なキャンパー家族のために、何も言わずに確保してくれていたのです。この夜の一人一人の体験の内容は、あまりに深いため、私たちはこれらの体験を手記集として残そうと考えています。様々な病気を抱えながらこの震災に立ち向かった貴重な経験を、何としても後世に残そうと思います。

震災を語り合う夕べ
震災を語り合う夕べ

二日目は快晴のもとでの熱気球。そして新しい試みの家庭菜園での野菜収穫が行われました。あらかじめ二月頃から有志の手で野菜が植えられ、心をこめて手入れが行われてきました。トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、枝豆等々、そしてじゃが芋も大量に収穫でき、みんなたっぷり自宅に持ち帰りました。さぞ美味しかったと思います。その後宮城県立子ども病院バンドの演奏、昼食はおやじ団主催のバーベキュー、午後からはステンドグラス、夜の大演芸会を経て二日目も更けて行きました。

畑の収穫
畑の収穫

最終日は尚絅女子高校合唱部の美しいコンサートの後、閉国式です。いつものことですが、閉国式は言葉には表せない、何とも言えない寂しさが漂い、そして涙がこぼれます。特に今年のキャンプは開催を半ば諦めていた私や実行委員たちを、みんなが支えてくれ、そして支えあい、やっと開催できたキャンプでした。ほんとうに、ほんとうに人の優しさを痛い程感じたキャンプでした。

まだまだ被災地での復旧への道は遠いものがあります。中央の政治はどこを向いているのか分かりません。それでも私たち東北人は黙々と前に向かって進んで行こうと思います。 がんばろう東北、がんばっぺ宮城、がんばるぞキャンプ。 来年もまた蔵王で会おうね!!

また来年も蔵王で会おうね!
また来年も蔵王で会おうね!

キャンプ長 堺 武男